Archive for the ‘Clinical Medicine’ Category

Stomach cancer examination

November 11, 2007

Cancer Sci. 2005 Oct;96(10):713-20
Gastric cancer screening of a high-risk population in Japan using serum pepsinogen and barium digital radiography.

Scand J Gastroenterol. 2007 Jun;42(6):760-4
Reduction in gastric cancer mortality by screening based on serum pepsinogen concentration: a case-control study.

僕の非常勤勤務先の病院がある東京都葛飾区では区の住民健診で胃癌検診として血清ペプシノゲン検査を行っています。
血清中のペプシノゲン値は幽門線から口側に進展する胃粘膜の萎縮性変化を反映して低下することが知られていることから、萎縮性胃炎の診断マーカーとされています。胃癌検診のためにペプシノゲン法を採用する理由は萎縮性胃炎が胃癌のハイリスクグループであるという報告に基づいています。

上記論文はいずれも本邦で行われた研究で、前者の論文はペプシノゲン法とバリウムX線検査を併用した胃がん検診(二段階法)の結果からペプシノゲン法が従来行われていたバリウムX線検査と同等の精度を有することと費用対効果比がバリウムX線検査よりも優れていることを報告し、両者を併用した検診の有用性と合理性を主張しています。後者の論文は13年間の溯及的症例対照研究によってペプシノゲン検査が単独で胃癌死亡率を減少させたと報告しています。

東京都葛飾区は全国で初めて住民健診に二段階法を導入した自治体です。葛飾区保健所が作成したマニュアルではペプシノゲン検査が陽性となると内視鏡検査を行い、陰性だとバリウムX線検査を行うことが推奨されているので、どちらにしても何らかの二次検査を行うことになってしまいます。ペプシノゲン検査も当然偽陰性を避けられないので、陰性だからといって胃癌の存在を完全に否定することはできません。ですからペプシノゲン陰性胃癌を逃さないためにペプシノゲン検査陰性の方にはバリウムX線検査を行うというのが理屈なのですが、僕は以前からその意義に疑問を感じていました。

厚労省三木班がこれまで推奨してきた二段階法を行う根拠となる研究はほとんどが日本語文献に過ぎず、エビデンスが乏しすぎる。また国立がんセンターの有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインではペプシノゲン法は胃がん死亡率減少効果に関する精度の高い研究がなされていないとして評価を保留されています。

結果は後から評価されるので新しいことを行うためには必ずしも確固たるエビデンスが必要だとは思いませんが、住民健診に採用する以上は優れた疫学調査を求めたい。

最近になって二段階法に代わりヘリコバクターピロリの血清抗体価とペプシノーゲン検査を併用した胃がん検診の有用性が確認されたことから、今後は「一次スクリーニングはヘリコバクターピロリ抗体測定とペプシノーゲン法で行い、二次スクリーニングは内視鏡検査」というHp・PG併用胃がん検診が効率的かつ経済的に胃がん死亡率減少をもたらす胃がん検診になると、厚労省胃がんスクリーニングのハイリスクストラテジーに関する研究班主任研究者であり日本消化器内視鏡学会会長の三木先生は結論づけています。
今後はHp・PG併用胃がん検診が全国に普及することが予想されます。

Membranous nephropathy

August 19, 2007

Kidney Int. 2007 May;71(9):841-3.
Membranous nephropathy: when and how to treat.

Am J Kidney Dis. 2005 Dec;46(6):1012-29.
Idiopathic membranous nephropathy: outline and rationale of a treatment strategy.

膜性腎症の治療については現在も様々なトライアルがなされていて、コンセンサスを得た治療法は依然として確立されていませんが、現在までに少なからぬエビデンスが蓄積されています。

現在日本の治療指針としては厚労省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班が2002年に報告した「難治性ネフローゼ症候群(成人例)の診療指針」が知られています。この中で膜性腎症に対する治療指針としてステロイド単剤で治療を開始することが記載されています。ステロイド単剤治療群とステロイド+シクロフォスファミド併用治療群と非使用群の3群(合計847例)を対象にした後ろ向き研究において非使用群に比してステロイド単剤群が有意に予後が良好であり、ステロイド単剤群とステロイド+シクロフォスファミド併用群の間に予後の有意差が認められなかったことがその根拠になっていますが、海外ではステロイド単剤治療が無効であるという報告や免疫抑制剤とステロイド併用療法の有効性を主張する報告が蓄積されるにつれて、ステロイド単剤治療は無効とのコンセンサスが既に形成されつつあります。

多種の免疫抑制剤が導入される中で現在最もコンセンサスが得られている治療法はステロイド+クロラムブチル/シクロフォスファミド併用療法と思われますが、確固たるエビデンスは乏しく、MMF、シクロスポリン、タクロリムス、ACTH、リツキシマブ、アザチオプリンなどを使用した新たなトライアルが進行中の現状を鑑みるとコンセンサスの確立にはまだ遠い印象を抱きます。

日本の治療指針でもこの状況を考慮して「ステロイド療法を主療法として免疫抑制剤を積極的に併用する」との記載をしていますが、ステロイド単剤治療が有効であったという報告は先の厚労省の報告を除いて海外の論文に見つけ難く、現時点ではステロイド単剤治療を行う科学的根拠は非常に乏しいと言わざるを得ません。

上記2論文は最近のレビューとして参考になります。また「難治性ネフローゼ症候群(成人例)の診療指針」は日本腎臓学会のホームページからダウンロード可能です。

Faecal occult blood test

June 19, 2007

Gut. 2007 Feb 19
Evaluation of a card collection based faecal immunochemical test in screening for colorectal cancer using a two-tier reflex approach

Lancet Oncology. 2006 Feb;7(2):127-31.
Immunochemical testing of individuals positive for guaiac faecal occult blood test in a screening programme for colorectal cancer: an observational study.

便潜血検査は大腸癌死亡率減少効果を示す十分な証拠があることから、大腸がん検診の基本的項目として確立しています。
化学法と免疫法という2種類の検査法がありますが、現在主流となっているのは免疫法です。

化学法は便中にペルオキシダーゼがある場合に過酸化水素存在下で基質であるグアヤックのフェノールが酸化されてキノンになり青い発色を呈する反応を利用しています。ヘモグロビンはペルオキシダーゼ活性を持っているので便中にヘモグロビンが存在する場合は発色するという理屈ですが、ヘモグロビン以外にもペルオキシダーゼ活性が生じる場合があるため、偽陽性を避けるために化学法では食事内容や内服薬の制限があります。
その点免疫法ではヒトヘモグロビンを抗原とした抗原抗体反応を利用しているので特異度が高く、食事内容や内服薬の制限もありません。上部消化管出血に対しては感度が低いものの大腸癌のスクリーニングとしては化学法に劣らず優れています。
これまでの疫学試験で化学法・免疫法ともに大腸癌死亡率減少効果があることが示されています。

以上は机上の学習ですが、実際の臨床現場では化学法が陽性で免疫法が陰性というケースがある。
この場合下部消化管内視鏡を行うか否かについてはおそらく医師の判断が分かれる。

今年2月のGutに発表された前者の論文では便潜血化学法陽性者に対して免疫法を追加検査する2段階スクリーニングの意義を検証しています。便潜血化学法陽性者558人を対象に免疫法を行った結果302人が陰性で256人が陽性だった。免疫法陰性者302人のうち2人(0.7%)に癌、12人(4.0%)にハイリスクポリープが確認された。一方免疫法陽性者の254人では47人(18.5%)に癌、54人(21.3%)にハイリスクポリープが確認された。また免疫法陰性者の93人(30.8%)は正常所見であったのに対して、免疫法陽性者では正常所見は34人(13.4%)だった。これらの結果から便潜血化学法陽性者に対して免疫法を追加検査する2段階スクリーニングによって大腸癌のハイリスク者を効果的に抽出できるとしています。

昨年のLancet Oncologyに掲載された後者の論文でも同様のスタディを行っていますが、こちらは便潜血化学法陽性者に対して免疫法を2回行っていて、免疫法の結果両方陽性をP/P、両方陰性をN/N、一方が陰性で他方が陽性をN/Pとして、それらと大腸内視鏡の結果を照合しています。
便潜血化学法陽性者800人のうちN/Nは173人(22%)、N/Pは129人(16%)、P/Pは498人(62%)で、大腸内視鏡を受けた795人のうち癌が見つかったのはN/Nが1/171人(1%未満)、N/Pが1/127人(1%未満)、P/Pが38/497人(8%)であった。また腺腫性ポリープが見つかったのはN/Nが28/171人(16%)、N/Pが24/127人(19%)、P/Pが193/497人(39%)で、正常所見はN/Nが67/171人(39%)、N/Pが49/127人(39%)、P/Pが24/497人(17%)であった。以上の結果から便潜血化学法陽性者に対する免疫法の追加検査は大腸癌スクリーングの偽陽性をかなり減らせるとしています。

便潜血化学法陽性者に対して免疫法が陰性であることが大腸内視鏡を行わない理由になるかどうかについてはケースバイケースだと思われます。

RAS inhibitors

June 15, 2007

American Journal of Kidney Diseases May 2004, Supplement Volume 43 Number 5
K/DOQI clinical practice guidelines on hypertension and antihypertensive agents in chronic kidney disease

Chronic kidney diseaseに対してどこまでACE阻害薬やARBといったRAS阻害薬を増量するかについては議論のあるところですが、Dose Effectが存在することについては異論がない。

実際に処方をする立場としてはこれまでに行われたトライアルで使用された処方に科学的根拠を求めることになります。RAS阻害薬の腎保護作用に関する論文は山のようにあるのでそれら全てに目を通すのは大変ですが、主要な論文については具体的な処方量を調べてみました。

上記のK/DOQI clinical practice guidelinesにはACE阻害薬とARBのDose Rangeが表として記載されているので参考になるかもしれませんが、2004年の記載でかつ根拠となるトライアルについての情報がないので、その点はUpToDateの方が参考になります。

これまでの主要なトライアルで使用された頻度が高い薬剤としてはACE阻害薬ではベナゼプリル、 ラミプリル 、エナラプリル、ARBではロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンといったところです。
ベナゼプリルについては昨年の N Engl J Medに有効性と安全性についてのスタディが報告されていて、ここで使用されたベナゼプリルの量は20mg/日です(N Engl J Med 2006;354:131-40)。
ラミプリルは一連のREINトライアルで使用されたことで有名ですが、そこで使用された最大量は5mg/日です。エナラプリルはトライアルによって5-40mg/日と差が大きい。

ARBについてはロサルタンがCOOPERATEで使用された量が100mg/日(Lancet 2003; 361: 117-24)、 バルサルタンはHKVINで使用された量が160mg/日となっています(American Journal of Kidney Diseases Vol 47, No 5 May, 2006: pp 751-760)。カンデサルタンについては極量を超えたUltra dose effectを検証したスタディがあり、そこでは32mg/日と64mg/日を比較しています(J Am Soc Nephrol 16: 3038-3045, 2005)。

COOPERATEに続き、ACE阻害薬あるいはARB単剤を増量するよりも少量のACE阻害薬とARBを併用する方が蛋白尿の改善に資するという報告もあることから(American Journal of Kidney Diseases Vol 43, No 2 February, 2004: pp 260-268)、併用療法の有効性は強調する必要があります。

IgACE study

May 29, 2007

J. Am. Soc. Nephrol. Jun 2007; 18: 1880 – 1888.
IgACE: A Placebo-Controlled, Randomized Trial of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors in Children and Young People with IgA Nephropathy and Moderate Proteinuria

European Community Biomedicine Concerted Action Project [BMH4-97-2487(DG 12-SSMI)]の一環としてIgACE European Collaborative Groupによって行われた前向き研究で、Clinical Trials on Medicines for Children (DEC-NET)にも登録されています。

中等度の蛋白尿を伴うIgA腎症の若年患者を対象にACE阻害薬の効果を検証したPlacebo-Controlled無作為二重盲検試験で、今月のJournal of the American Society of Nephrologyに掲載されました。

対象としたのは腎生検にてIgA腎症と診断された3−35歳の若年者で中等度(1-3.5g/day per 1.73m2)の蛋白尿を示しかつ正常か軽度の腎機能低下(Ccr>50ml/min per 1.73m2)を示す患者です。140/90以上の高血圧を伴う成人やステロイド治療を受けた患者は除外されています。クライテリアを満たし実際の試験対象となったのは9-35歳の患者66人で、用いられたACE阻害薬はベナゼプリルです。

平均35ヶ月のフォローアップデータではACE阻害薬群は偽薬群に比してCcrと蛋白尿いずれも有意な有効性が確認された。蛋白尿はACE阻害薬開始後1年以内に著明に減少することも確認された。
Primary end pointとされたのはCcr:30%以上の腎機能増悪を示した場合で、偽薬群では5/34人であったのに対してACE阻害薬群では1/32人だった。
Secondary end pointとされたのは二つあり、一つはCcr:30%以上の腎機能増悪を示すかあるいは3.5g/day per 1.73m2以上までの蛋白尿を示した場合であり、この場合ACE阻害薬群では1/32人に対して偽薬群では9/34人と明らかな差が認められた。またCox解析によりACE阻害薬は独立した予後規定因子であることが確認された他、性別、年齢、血圧等の因子は腎障害の進行と相関が認められなかった。
もう一つのSecondary end pointは6ヶ月以上にわたり0.5g/day per 1.73m2未満の部分的蛋白尿寛解を示すか160mg/day per 1.73m2未満の蛋白尿完全寛解を示した場合であり、この場合部分的蛋白尿寛解はACE阻害薬群では13/32人に対して偽薬群では3/34人、完全蛋白尿寛解はACE阻害薬群では12/32人に対して偽薬群では0/34人となり、いずれにおいてもACE阻害薬の有効性が確認された。

Scr≦1.5 mg/dlかつ蛋白尿≧0.5 g/dのIgA腎症の成人患者を対象にした前向き無作為比較試験は過去にも行われており、血清Cre値と尿蛋白量をエンドポイントとしてACE阻害薬の有効性は確認されている[J Am Soc Nephrol 14: 1578-1583, 2003]。

ステロイド治療と同様にIgA腎症に対するACE阻害薬の有効性は確立されつつある。

NKF-KDOQI Guidelines

May 16, 2007

American Journal of Kidney Diseases, February 2002
Clinical Practice Guidelines for Chronic Kidney Disease:  Eval uation, Classification and Stratification

腎不全患者の腎機能評価にあたりGFRの推定は必須です。
NKFガイドラインでは成人の場合MDRD式とCockcroft-Gault式によるGFRの推定を奨励しています。
MDRD式GFR計算式は少し複雑ですが、関数電卓を使えば問題ありません。
NKFのホームページでは必要な値を入力すれば自動的にMDRD式GFRを計算してくれるGFR Calculatorを公開していますが、日本人に対するModificationは考慮されていません。日本腎臓学会ではMDRD式に日本人係数0.881を掛けると相関が良いことを報告しています。血清クレアチニン値は酵素法の場合、その値に0.2mg/dlをたすことも注意が必要です。
MDRD式GFRは2002年のガイドラインで発表されたにもかかわらず依然として本邦では認識が浅い。

National Kidney Foundation(NKF)は大変充実した最新のclinical practice guidelinesをホームページで公開しています。
腎不全の治療にあたる全ての臨床医はこのガイドラインを十分に活用する必要があります。
内容は素晴らしい。
http://www.kidney.org/professionals/KDOQI/guidelines.cfm

Runner’s anemia

March 30, 2007

Eur J Gastroenterol Hepatol. 2001 Sep;13(9):1089-94
The role of gastrointestinal endoscopy in long-distance runners with gastrointestinal symptoms

Int J Sports Med. 1996 Oct;17(7):473-9
Iron deficiency in distance runners. A reinvestigation using Fe-labelling and non-invasive liver iron quantification.

Dig Dis Sci. 1990 Feb;35(2):276-9
Gastrointestinal bleeding during an ultramarathon

Scand J Gastroenterol. 1986 May;21(4):493-7
Gastrointestinal bleeding in marathon runners.

Ann Intern Med. 1984 Jun;100(6):843-5
Gastrointestinal blood loss and anemia in runners

明らかな鉄欠乏性貧血があるにも関わらず、原因の特定が困難な症例を経験することがあります。
鉄欠乏性貧血の原因は多いですが、マラソンランナーのような長距離走選手に認められるという論文が古くから報告されています。
長距離ランナーの場合、他の競技と異なりその原因として消化管出血が知られています。その機序に関する論文は乏しいですが、血液生化学的検査、便潜血検査、消化管内視鏡検査、アイソトープによる鉄代謝検査による評価から、原因として消化管出血があることは確かなようです。

Alcoholic liver disease

March 26, 2007

Am J Gastroenterol. 1998 Nov;93(11):2022-36
Alcoholic liver disease: proposed recommendations for the American College of Gastroenterology

アルコール性肝障害に対する特異的治療法は乏しい。
1998年に発表された上記ガイドラインは現在もアルコール性肝障害に対する治療指針として機能しています。
これまで試みられた様々な治療法の中でエビデンスに耐える治療法として残ったのは禁酒(Grade1A)と栄養補給(Grade1B)のみであり、その他の薬物療法のroutine useは奨励されていません。

アルコール性肝炎についてはDiscriminant function>32あるいは肝性脳症がある重症症例に対してステロイドの使用が唯一特異的薬物治療法として奨励されています(Grade1B)。具体的にはプレドニゾロン40mg/日を4週間投与し、その後漸減するとしています。ステロイドはあくまでプレドニゾロンを奨励していて、肝でプレドニゾロンに変換される必要があるプレドニゾンではありません。
ステロイド治療が適さない消化管出血、膵炎、腎不全、あるいは活動性の感染症を合併した患者に対しての有効性は確認されていません。
アルコール性肝炎に対しても栄養補給はGrade1BのRecommendationがされています。

Dietary fiber intake

March 9, 2007

Gastroenterology 2004;126:1463-1473
American Gastroenterological Association Technical Review on the Diagnosis and Treatment of Hemorrhoids

Dis Colon Rectum. 2005 Feb;48(2):189-94
Practice parameters for the management of hemorrhoids (revised)

痔核のガイドラインです。
前者は2004年2月にAGAが発表したもので、後者は2005年2月にThe American Society of Colon and Rectal Surgeonsが発表したものです。

食物繊維の摂取は保存的治療の基本として位置づけられています。
食物繊維の摂取によって出血が有意に減少したというスタディはこれまでに幾つか報告されています[Cochrane Database Syst Rev 2005: CD004649、HepatoGastroenterology 1996; 43:1504、Dis Colon Rectum 1982; 25:454]

psylliumという食物繊維が論文でも使われていて、日本でも厚労省の特定保健食品として日清食品からサイリウムヌードルなどの各種食品が販売されています。
今日近くのドラッグストアでその日清「サイリウムヌードル」を見つけたので早速買ってみました。エビデンスがある1個158円のカップラーメンです。痔を患っている方はこのカップラーメンで症状が良くなるかもしれません。サイリウムドリンクやサイリウムコーンフレークもあるようです。

保存的治療に抵抗性の内痔核(Grade Ⅰ-Ⅲ)に対する非外科的治療としてRubber band ligationや凝固療法や硬化療法などが知られていますが、現在のところRubber band ligationが最も優れているとされています。

Pneumovax

March 2, 2007

Clin Infect Dis. 2006 Oct 1;43(7):860-8
Protective effects of the 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in the elderly population: the EVAN-65 study

成人市中肺炎の主要な原因菌である肺炎球菌の感染を抑えることは大変重要です。
現在の成人に対する肺炎球菌ワクチンは23種類の肺炎球菌莢膜ポリサッカライド抗原を混合したPPV23と呼ばれるワクチンです。Merckからニューモバックスの製品名で市販されていて、日本では萬有製薬が製造販売しています。

PPV23に含まれる23種類の肺炎球菌セロタイプは侵襲的疾患の原因となる肺炎球菌セロタイプの85-90%をカバーするとされていますが、これまで肺炎に対するその効果は疑問とされてきました。

昨年10月に報告された上記論文は65歳以上の一般住民を対象にした前向きコホート研究で、2002年1月から2005年4月までの間に65歳以上の高齢者11241人を対象に肺炎球菌ワクチン(PPV23)の効果を検証しました。
その結果、肺炎による入院、肺炎罹患率、肺炎球菌性肺炎罹患率、肺炎による死亡をいずれも減少させたと報告しています。

しかしながらこれまでのスタディを鑑みると[Lancet. 1998 Feb 7;351(9100):399-403、N Engl J Med. 2003 May 1;348(18):1747-55、Clin Infect Dis. 2006 Oct 15;43(8):1004-8]、すべての成人を対象にPPV23を接種する科学的根拠は乏しい。

現在PPV23の接種が奨励されているのは以下のハイリスクグループです。
65歳以上の高齢者、19-64歳の慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病、アルコール依存症、慢性肝疾患、髄液瘻、蝸牛移植、慢性療養施設のような特殊な環境に住む方、19歳以上のHIV感染者、悪性疾患、慢性腎疾患、ネフローゼ症候群、先天性免疫不全、免疫抑制剤やステロイドの化学療法を受けている患者、脾機能不全患者、臓器あるいは骨髄移植後の方です。(MMWR 2005; 54:1)

肺炎球菌ワクチンは現在日本では2歳以上の脾摘患者以外は保険が適用されていませんが、ハイリスクグループを対象により積極的な接種が必要ではないかと思います。