Nature Genetics 28, 266 – 271 (2001)
Genetic interactions between tumor suppressors Brca1 and p53 in apoptosis, cell cycle and tumorigenesis
Brca1Δ11/Δ11マウスはDNA damage反応による広範なアポトーシスにより妊娠後期に胎生致死になりますが、p53 ホモ欠損により胎生致死を免れる一方で乳腺腫瘍などの癌が生じることが知られています。
今月初めの癌学会で国立長寿医療センターの本山先生の研究グループはBrca1Δ11/Δ11マウスがChk2欠損によりDNA damage反応が起こるにも関わらずp53依存性アポトーシスが起こらず、結果としてリンパ腫や乳腺腫瘍などの発癌が認められることを報告しました。しかしながらこの発癌表現型はp53欠損のそれに比して弱いことから、DNA damageによる発癌過程にはp53によるアポトーシス以外の腫瘍抑制機序があることを想定してsenescenceに着眼した研究を進めています。
Chk2欠損Brca1Δ11/Δ11マウスを用いたvitroとvivoの実験により、結論としてDNA damage反応によるsenescenceはChk2非依存的であり、ATM-Chk2非依存性のp53によるDNA damage induced senescenceが腫瘍抑制機序に機能していると報告しています。
実験ではDNA damage signalとして放射線を用いていて、急性のDNA damage反応によるアポトーシスが早期の発癌抑制に働き、senescenceは遅延性の発癌抑制に働くというモデルを示していました。