CAST

By Dr.Naoki

N Eng J Med Volume 324:781-788 March 21, 1991 Number 12
Mortality and morbidity in patients receiving encainide, flecainide, or placebo. The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial(CAST)

1991年のNew England Journal of Medicineに掲載された上記論文は抗不整脈薬治療に大きな影響を与えたCASTという有名な疫学試験です。

CASTは心筋梗塞後のventricular ectopyの抑制が突然死を減少させるという仮説のもと、無作為に抽出した患者を対象にencainideかflecainideかmoricizineによってventricular ectopyを抑制した群とプラセボ群について死亡率と罹患率を比較した疫学試験でしたが、試験の終了を待たずしてencainideとflecainideは死亡率過剰により途中で中止された。
1498人の患者のうち857人を対象にencainideを試験し(encainide群432人、placebo群425人)、641人を対象にflecainideを試験した(flecainnide群323人、placebo群318人)。その結果平均10ヶ月のフォローアップ後に死亡した89人の患者のうち59人は不整脈死(drug43:plasebo16)、22人は不整脈以外の心疾患死(drug17:placebo5)、8人は心疾患以外による死亡(drug3:placebo5)であり、不整脈死以外の心疾患死因のほとんどはショックを伴う急性心筋梗塞か慢性心不全によるものであった。

この疫学試験はencainideとflecainideを内服した患者は対照に比して不整脈死か急性心筋梗塞再発後のショック死が過剰に起こり、非致死的イベントについては対照と差を認めなかったと結論としている。

2004年の日本循環器学会誌Circulation Journalに掲載された「不整脈治療のガイドライン」ではフレカイニドなどのslow kinetic Naチャンネル遮断薬を心筋梗塞亜急性期〜慢性期における心室性期外収縮の治療薬としてあるいは持続性心室頻拍の再発予防薬として用いることは禁忌とされており、その根拠の一つはCASTにあります。

CASTについてもその結果の解釈はその後の課題となったが、評価に耐える大規模試験のエビデンスが蓄積するにつれ、疫学的結論は患者に還元され、臨床に結びついています。

Leave a Reply